LAST SASURAI

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今年最後のさすらいに行ってまいりました。しばし行先をどこにするか悩みましたが、やはり〆を飾るにふさわしいのは原点だろう、ということでKLへ。仕事を含めると、2015年下半期のみで4回訪れたことになります。

相変わらず昼も夜も気のおもむくままにうろうろしていたのですが、昼に出くわしたのが写真のマーケット。KL中心部から少し離れたところにあるのですが、鮮烈で極色彩で濃密にアジアでした。
大量に取引される生肉・生魚・生野菜、豪雨のように飛び交うマレー語と中国語、強烈な日差しがパラソルを色とりどりのランプに変え、足元は飛び散る魚の鱗でざらつき、併設された食堂からの排気は嗅覚を麻痺させる。五感すべてが場の空気に支配され、かろうじて「君は今アジアにいる」というメッセージのみ吐き出すことができる状態。
エネルギッシュとかパワフルとかそんな言葉が陳腐に聞こえるほどの、圧倒的なマーケットでした。

夜のうろうろで出会ったのは、旅行中というドイツ人。
ナイトマーケットの片隅でストリートミュージシャンが何やら地元の曲の演奏をはじめました。どうやら有名な曲のようで、観衆の何人かはバンドの目の前で踊り出し、さらにはバンドに加わってボーカルと一緒に歌いだす始末。ビール片手に座り込んで見物していたところ、Cheers!と声をかけてきたのが、同じくビール片手に座り込んでいた件のドイツ人でした。
IT関連の企業家としてドイツで働いており、「アジアは今マーケットとしてすごく伸びているからね、その成長を自分の目で見たくて、インドやベトナム、インドネシアにも何回か来ているんだ」と語る彼。ドイツ人の持つアジアンカルチャーへの考え方をじっくり話すことができて、最高に愉快な夜となりました。

しかし、「見てみたい」というだけで飛行機片道8時間もかけて、それも何回も訪れるという人がいるのですから、私のさすらいへのガッツもまだまだ足りぬと反省した帰路でもありました。2014年のさすらいはこれで終わりですが、2015年のさすらいは更にエキサイティングなものにできるよう、精進していく所存です。
という所で、明日から中国の北海市に行ってまいります。今回はKLからの飛行機しか取れなかったため、バスでKL国際空港に行った上でそこから空路となり、もろもろ含めて片道19時間の長旅です。中国の最南端(たぶん)、ほとんどベトナム国境沿いではどんなものと出会えるのかしらん。

それでは良いお年を。