日本人プレミアム

日本人プレミアムという言葉を聞いたことはありますか?いわく、特にアジア地域において「日本人」というだけで、現地の人から尊敬される現象のことを指すそうです。なんでも日本はアジアの中でも飛び抜けた経済成長を果たし、スター的存在なのだとか。しかし最近はこの日本人プレミアムがだんだんと薄れてきているようです。先日会った、アジアで18年仕事をしている日本人の方も、「昔は日本人というだけで人気者扱いだったけど、今や見向きもされなくなった」と語っていました。

日本人プレミアムが消失している事に関して語る人に共通しているのは、なくなることに対してネガティブで残念な印象を持っている様子であることです。しかし、よく考えると日本人プレミアムそのものはおかしな現象だと思います。なぜ、どこかの国籍を持っているという事実だけで尊敬されるのでしょうか。

日本国が爆発的な経済発展を遂げて先進国の仲間入りをしたから?その成長を下支えした先人の努力には敬意を表すべきですが、すべての日本人がその成長に大きく貢献したわけではありません。ましてや私のようなヒヨッコなんかはその一端すら担っていません。
世界大戦時、いくつかの国において、欧米の支配からの独立を果たす際に重要な役割を日本が占めたから?歴史解釈の問題もありますが、感謝されるべきは当時の日本人です。また日本を友好的に思ってくれるのは「日本国」に対しての感情であり、イチ日本人を尊敬するだなんだというのは別の話です。

私はなにも「日本人プレミアムは間違っている!」と言いたいわけではありませんし、日本という国と日本人という民族を好きだと言ってくれている外国人に出会うと本当にうれしくなります。だからこそ、日本人プレミアムという異常な状態がなくなりつつあることは喜ばしいことだと思っています。これまでは日本人プレミアムという謎の後光を身にまとうだけで物事を優位に進められたかも知れませんが、それが無くなった以上はお互いに一人の人間としてコミュニケーションを取ることが求められます。つまり普通の対人関係が築けるようになったのです。どんなデメリットがあるというのでしょうか。

この普通の状態を最高に楽しむためには、もちろん自分自身を磨き続ける努力が必要です(まぁ当たり前なんですが)。きちんとアップデートし続けてグローバル環境を楽しみ続けることができるようになりたいと思います。