最近読んだ本について

最近読んだ本の感想など。
「幸せになる勇気」
読み終わったのちに、前作「嫌われる勇気」と合わせて2回ずつ再読してしまった。アドラー心理学は、人は誰しもこの瞬間に生まれ変わり幸せになれるという希望を与える反面、厳然たる事実を目の前に突き付けられたような、救いのない絶望感も覚える。しかし、一周回って考えてみると、結局は今この時にスポットライトを当て、ダンスするしかない、というかそれしかできないというシンプルな結論に至った。「ダンスするように生きる」という行動指針が腑に落ちただけでも、読んだ価値があった。今後も折に触れて読み返したい。

「LIFE SHIFT」
心の師、リンダグラットン教授の最新作。日本語版がキンドルで刊行されていることの幸せを噛み締めつつ読んだのだけど、日頃キャリアについてぼんやり考えていることに対して「これだぁぁぁ」と叫びたくなるようなインサイトが山盛りの本。またHRコンサルタントの端くれとして、100歳時代の人材を活用するための仕組みとは、エイジとステージが一致しない人たちをどのように評価するのか、産業革命時代に生まれた労働システムをどのように21世紀型に進化させるのか、といった課題にもチャレンジしていきたいなぁと改めて思う。

「Culture and Organization – Software of the mind」
キンドルでは英語版しかないため遅々として進まないのだけど、Power Distance IndexとUncertainty Avoidance Indexには目がうろこごと落ちるくらいの気づきがあった。これまでに読んできた異文化理解系の本に出てきた指標は、どうも表面的な行動の違いしか捉えていないのではと思うようなものもあったが、PDIとUAIがあれば例えば日本人と中国人の仕事へのスタンスの違いがすごくクリアに説明できるようになる。Culture in Organizationのパートも、そのままごっそり顧客への提案書にしたろうかというくらい役に立つ。英語版を読み進めるのは集中力が必要だけど、必ず今年中に読み切る。