最近読んだ本のまとめ

最近読んだ本のまとめ。しばらくサボっていたので読み終わった本が結構な量で積み重なっていますが、印象に残っている5冊を取り上げてみたいと思います。

<ZERO TO ONE Notes on startups, or how to build the future>
タイトル通りの、ゼロからイチを生み出すために何をすべきか、という本。和訳版の「ゼロ・トゥ・ワン」というタイトルに思いきり脱力してしまい、原著版を選んでみたのですが、この手の内容だとむしろ和訳版でなくてよかったかも知れません。
What important truth do very few people agree with you? (非常に限られた人しか同意しない、重要な真実とは何か?)という問いは非常に面白いと思います。新規事業を立ち上げる際、ともすれば多くの人が同意してくれそうなプロダクトなりサービスなりを探してしまいがちですが、その時点でレッドオーシャンに片足突っ込んでる訳ですね。何かよい答えが見付かったら、会社立ち上げてみたいと思います。

<サピエンス全史>

2018年上期では1, 2を争うほどの個人的大ヒットでした。我々の祖先であるサルが「我々」になっていく過程、農耕が人にももたらす悲劇、国家成立のメカニズム、宗教と歴史、科学と帝国、繁栄を誇っていた中国がなぜ天下を取れなかったか、世界地図が歴史に与えるインパクトなどなど、目から落ちた鱗が何枚あるか分かりません。それゆえ、個人的には最終章がびっくりするほど相対的に薄っぺらく感じてしまって尻切れトンボだったのですが。

興味はあるものの、上下巻のボリュームに怖じ気づいてしまっているという人の話をよく聞きますが、歴史のステージ毎に章立てされているため、まずは面白そうな時代の章から先に読み進めてもいいのではと思います。気付いたらすべてを読破していること間違いなしです。

<北朝鮮は「悪」じゃない>

1, 2を争う個人的ヒット2個目。少し前に米朝首脳会議の実現がなされましたが、そのニュースを見ながら、そういえば北朝鮮について知っていることが少ないということに気づき、慌てて読み始めました。恥ずかしながら日本だけに住んでいた時には、外交問題を日本側の事情だけでしか考えていなかったのですが、シンガポール、上海で生活する中で、相手国のロジック、また場合によっては第3国のロジックも織り込んで考えることの重要性を肌で感じることができました。この本は、まさに北朝鮮側のロジック、第3国であるアメリカ、中国のロジックを冷静に論じており、内容はもちろんのこと、私の肌にも合っている語り口でした。ともすると北朝鮮問題は感情論だけが先行してしまうことも少なくありませんが、本書にも書かれている通り「冷静な目で」見つめることの重要性を再認識させられました。

<ティール組織>

2018年のamazon売り上げランキングで堂々トップ10入りを果たした話題の本ですが、組織開発でご飯を食べていっている仲間内では「まぁ色々よくまとまっている、受験対策的な本だよね」という評価だそうで、誉めてるんだかけなしてるんだか、という本です(笑)。私としても、内容にそこまで目新しいものがあったかというと微妙なところで、まぁよくまとまってるなぁというのが印象でした。とはいえ、この手の組織論のお話は「読者に理解をさせないようにわざとややこしく書いてるんじゃないか」と恨み節を言いたくなるほどの難解な本が多い中で、平易な文章と分かりやすい事例でまとめられており、組織開発で商売している人以外にもお勧めしやすい本です。

<スタンフォード大学 マインドフルネス教室>

マインドフルネスの重要性はよくよく理解しているものの、そしてメディテーションも日々実践しているものの、そういえばマインドフルネスだけの本を読んだことがないと思い、人に勧められて読んでみた本。マインドフルネスとはなんぞやを理解するためには良い本ですね。