コンサルティングファームのネタ的名称のまとめ

「コンサルティングファーム」と横文字で書かれると、さぞや華々しい業界なのかと思われがちですが、その内情やお仕事は結構地味な部分もたくさんあります。えらくタイトなスケジュールの中での資料の再修正や、厳格ゆえに面倒な種々の手続きに疲れたコンサル屋さんたちは、新橋の焼き鳥屋でビールを片手に、自虐的にこうつぶやくのです。「まぁコンサル言っても、結局●●だからね・・・」

という人が本当にいたかどうかはさておき、Twitterなどを見ていると、コンサル会社やコンサルタント自身のネタ的な名称は結構バリエーションがあって面白いものです。ということで、コンサルティングファームのいろいろな名称を集めてみました。

高給派遣業

栄えあるトップバッターは、なんといっても高給派遣業でしょう。こちらはコンサル会社に勤める人以外、たとえば転職サイトの業界紹介記事などでもちょこちょこ見かけるワードであり、市民権を広く得つつあるようです。3~6か月程度で特定の問題解決を請け負う伝統的(?)なコンサルのお仕事と対照的に、あたかもクライアント先の社員と同じように働く姿を指す言葉です。長期的、かつ深くクライアントとお付き合いすることになるため、よりディープな業界知識が身に付くメリットがある一方で、あれ自分ってなぜコンサルファームに入社したんだっけ?これならクライアント会社に就職した方がよかったんじゃ?という謎の迷いが生まれやすいという噂もあります。

気づいたら自社の会議室よりも、クライアント先の会議室の予約の方が得意になっていた。3か月ぶりに自社に帰ると、同じ会社の同僚ばかりでなんかビックリしてしまう。クライアント先で貸与されているPCの方が使いやすく思えてきた。自社のオフィスのエレベーターにて、ついクライアントオフィスの階数のボタンを押してしまった。このうち、ひとつでも身に覚えのある方は、高級派遣である可能性が大です。

コンサルの皮をかぶったIT会社

「コンサルティングファーム」の定義はハッキリしているようで結構曖昧な部分もあり、社名のどこかや会社説明の中に「コンサルティング」と付いていればコンサルファームっぽくなるという不思議な言葉です。そのため、コンサルファームと名乗ってはいるものの、仕事の内実は結構異なるということがままあるようです。その代表格がIT系のコンサルティングファームによく見られるためか、その手のファームが「コンサルの皮をかぶったIT会社だからね」と呼ばれることがあります。

IT会社と呼ばれてしまいがちなIT系コンサルファームも、実際のところはいわゆるシステム構築だけではなく、戦略案件やマーケティング案件なんかもしっかり扱っていたりします。しかし、いかんせんIT案件は規模が大きい=プロジェクトに入るコンサルタントの数が多くなるため、相対的に戦略・マーケ案件の存在が目立たずに、結果としてこのように呼ばれてしまうということが起きるようです。そしていわゆるコンサルファームの仕事をイメージして入社した人が、なかなか思い通りの案件を担当することができずに転職する、といったことが起きているとか起きていないとか。

高級文房具

コンサルのお仕事は、これでもかと言わんばかりの分量の資料作りをします。パワーポイントを扱うこと之すなわち呼吸をするがの如く、エクセル関数を使えぬものはコンサルに非ず、VBAが書ければ尚のこと良し、という毛筆の巻物が会社のどこかにあるんじゃないかと思うくらい作ります。

PPTのスライド飛び散る戦場から帰ってきた戦士たちは、Ctrl + M(PPTで「新しいスライドの挿入」をするショートカット)の形に固まってしまった自身の指をさすりながら毎晩床に就きます。そして次の日も、朝いちばんにオレンジ色のアイコンを叩き、さながら高給文房具のように、口から黒いインクという名の疲れた吐息をはきながら、資料作りに励むのです。

AI搭載パワーポイントRPA

RPAはRobotic Process Automationの略であり、ホワイトカラーのデスクワークを自動化するためのツールのことを指します。

コンサルタントが対峙するクライアントの皆様は、往々にして超絶忙しい人たちで、来週の予定が埋まり過ぎてるのでランチを食べながらのMtgでいいですか?と聞かれることもしばしば。そんな忙しいクライアントを相手に、精度よく資料を作り上げ、適切なタイミングで意思決定をしてもらうためには、クライアントとのMtgの中で資料を作っていくこともあります。クライアントとのやり取りや考え方に慣れてくると、クライアントの議論を聞きながらビシバシ資料にまとめていき、Mtg終了5分前にささっと資料確認をしてもらい終了と同時に資料を渡す、といった芸当ができるようになってきます。

調子よく資料を作って送付できた時は、それなりの達成感があるのですが、そんな毎日を送っているとふと思うのです。あれ自分って、パワーポイント作成専用のRPAなんじゃないか?しかもAI搭載の。もしかして5年後にはツールに代替されてしまうのではないか・・・自身の存在が危うく思えてきたコンサルタントたちは、いやいやそんなことは無いと首を振りながら、また次のMtgでもせっせとパワポのスライドづくりに励んでいきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。コンサルティングファーム界隈では、もしかすると他にもウィットに富んだ名称がまだまだあるかも知れません。もしこんなのもあるよ!というのがあれば、ぜひこっそり教えてください。